走水の海苔

走水

走水は地名からもわかるように、東京湾の湾口に位置していて、栄養塩たっぷりの東京湾の水が外海に流れ出る出口にあたり、潮がたいへん速く、走るように水が流れています。
また、近くに走水水源地があり、富士山の雪解け水とか何十年前の化石水とか言われている上質の湧き水が湧き出ていて、その水が地中や海中から海に滲みでています。
その走水で水揚げされるアジ、タイ、カレイ、タコなどの魚類、海苔、猿島わかめ、こんぶなどの海藻類、走水あさりなどの貝類はたいへん美味しく、築地でも高値で扱われています。


海苔

コンセプト

 

走水産の海苔は、潮が速く上質の真水が混じる、海苔には最適の環境の海で育ったため、色・つや・香りの三拍子揃ったたいへん上質な海苔で、かながわの海苔はかながわブランド、かながわの名産100選にも指定されています。


海苔ができるまで

コンセプト

陸上栽培

9月中旬頃に陸上栽培をし、海苔網に海苔の種をつけ冷凍保存します。

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干出

海水温が23度に下がった9月下旬から10月上旬にかけて、冷凍した種付け網を沖に出した自動干出機(稲吉と走水では呼ばれている)に張り込みます。雨や時化の日以外は毎日1~4時間種を海から干出して育苗します。

種付けした網を沖に張り込んでから約20日後、海苔の長さが5~10mm位になった種網を陸にあげ、再度冷凍保存します。

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海苔の摘採

海水温が18度位に下がった10月下旬頃から、種網を再度沖に張り込み、約20日後の11月中旬頃から新海苔の摘採が始まります。
高速摘採船(もぐり船)で、短時間で大量の海苔を摘採します。

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海苔の加工

摘採してきた海苔は1tの海水が入った攪拌タンクに入れ、海苔の傷み防ぎ、均一の製品ができるように攪拌しつづけていきます。攪拌された海苔は大きな洗濯機のような海苔洗い機で、十分汚れが落ちるように海水で洗います。

洗われた海苔は、糸絡めという糸くずや大きなごみを絡める機械を通した後、海苔を大切りしてから海苔異物除去洗浄機に通します。この機械は0.1mm程のスリットの間に海苔を通して、それ以上の厚みのある異物を除去して吐き出し、海苔を洗浄します。

異物を除去された海苔は海苔切断機で細かくミンチ状に切断します。その日によって海苔の種類や出来が違うので何種類かの大きさに切断できるようになっています。

コンセプト

切断された海苔は調合機で適度な濃さになるように、真水と調合してから、抄き機に流れます。四角に抄かれた海苔は、脱水された後、乾燥機で乾燥します

コンセプト

約2時間30分乾燥された海苔は簾から剥がされ、1枚1枚コンベアーに流されます。

コンセプト

剥がされた海苔は、1枚1枚自動海苔選別機で選別されます。
乾燥があまく濡れているものは、濡れ海苔に。
穴があいていたり、破れていたり、端が欠けていたりするものは、キズ海苔に。
肉眼視できる大きさの、海苔以外の異物が混入しているものは、異物混入海苔に。
検査に通った良品だけを、10枚(1帖)づつ揃えて流されさらに100枚(10帖)ごとに結束されます。

コンセプト

100枚(10帖)に結束された海苔を、出荷用の大箱に3600枚入れて、走水産乾海苔の完成です。
完成した海苔は、東京の大森海苔問屋組合の共販に出荷して、セリにかけられます。